勧めるところで、手が止まってしまう
体験会や相談までは来てもらえて、話も弾んだ。それなのに、最後に自分の講座やメニューを案内する段になると、「よかったら、また考えてみてくださいね」で終わってしまう、、、。そんな経験はありませんか?
勧めたら嫌がられそうだし、せっかくの良い空気を壊したくない。そう思って引いてしまうのは、相手のことを大事にしているからだと思います。それでも帰り道に、自分は営業に向いていないのかな、と落ち込んでしまいますよね。
先に私の考えを書くと、売り込みが苦手でも、自分で確かめた良さを、合う人にだけ勧める形なら続けられると思っています。借り物の話で勧めたときと、自分がいいと思えるものを勧めたときとでは、私の中でまるで違いました。
他のメーカーを勧めても、2年呼ばれ続けた売り場
19歳から20歳のころ、私はオーディオ売り場に立っていました。あるメーカーの販売員として土日だけ入る仕事で、売れなければ次は呼ばれなくなる条件です。
そのメーカーの製品は自分でも使っていて、音の良さを知っていました。だから、本当にいいと思って勧めることができたんです。ただ、いきなり製品の説明を始めることはしないで、お客さんの好みを聞くようにしていました。
聞いてみて、他のメーカーのほうが合いそうだなと思った人には、そのまま他のメーカーを勧めていました(笑)。うちの製品が合いそうな人には、実際に聞き比べてもらって、最後は本人に決めてもらいます。迷っている人でも、この人には本当に合うと思えたときは、こちらから背中を押しました。
そんな売り方でしたが、売り場には2年ほど呼ばれ続けました。
説明の前に、好みを聞くところから始めていました。
借り物の確信は、長く続かなかった
反対の経験もあります。26歳のころには、一軒家を一軒ずつ訪ねて通信のサービスを案内する、歩合制の訪問販売をしていました。
最初のうちは、成績が良かったんです。でも振り返ると、そのころの私は、人から聞いた話を自分の体験のように置き換えて話していました。自分の中から出てきた確信というより、借り物の確信だった訳です。
そのうち、周りで話を大きくして勧めるやり方を見ているうちに、違和感が出てきました。契約をいただいたら、そのお客さんとはもう会わない仕事でもありました。そこからだんだん売れなくなって、結局その仕事は辞めています。
誰かが悪かったという話ではないんです。ただ、売り場の2年間と並べてみると、私が苦手だったのは勧めること自体ではなかった気がしています。自分で確かめた良さがあって、相手の好みを聞けているときは、勧めるのが苦になりませんでした。もしあなたが勧めるところで止まるのだとしたら、それも勧めること自体が苦手な訳ではないのかもしれません。
嫌われそう、という心配について
とはいえ、勧めたら嫌われそう、という心配は残ると思います。私も、欲しいかどうか分からない人にこちらから切り出すのは、得意ではありません。
売り場では、先に好みを聞いていました。いま思うと、あれが良かったんだと思います。聞いたあとなら、相手が話してくれたことを理由にして勧められるからです。
あなたの相談の場面でも、相手の話をじっくり聞いたあとで、「この人には、うちの講座が合いそうだな」と感じる瞬間があるのではないでしょうか。そう感じた理由をそのまま伝えるだけなら、売り込みとは少し違う気がしています。
私が勧めるかどうかを決めるときの基準です。
私が勧めるかどうかを決める基準は、「これは、この人のためになるか」です。ならないと思えば、勧めません。なると思えたら、相手が迷っていても、そう思った理由を自分の言葉で伝えます。
ちなみに、相手に合わせて勧め方を変える販売員のほうが成績が良かった、という研究のまとめもあるそうです(※1)。
次の相談で、一度だけ聞いてみる
次の相談で、案内をする前に一度だけ、この人のためになると思えるかどうかを自分に聞いてみてほしいです。思えなかったら、その日は勧めなくていいと思います。私自身は、そう思えた人にだけ勧められた仕事のほうが、気持ちよく続けられました。
私の無料の診断も、結果は一緒に見ますが、売り込みはしません。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
参考にした資料